大学サッカー部が高齢化団地を寮に活用・・・おばあちゃんが笑顔になったワケ【SDGs】【news23】

大学サッカー部が高齢化団地を寮に活用・・・おばあちゃんが笑顔になったワケ【SDGs】【news23】

大学サッカー部が高齢化団地を寮に活用・・・おばあちゃんが笑顔になったワケ【SDGs】【news23】

「地球を笑顔にするウィーク」3日目は「築50年の団地をめぐる新たな動き」です。住民の高齢化が進む団地を大学のサッカー部が寮として利用し始めました。そこで生まれた新たな交流とは。

 日本代表で活躍する伊東純也選手らを輩出した神奈川大学サッカー部。部員70人の中で、ひときわ声を出す永谷陵之佑さんはチームのムードメーカー的存在です。練習を終え、バイクで向かった先は横浜市内の団地です。ここで1、2年生のサッカー部員29人が寮生活をしています。どんな寮なのでしょうか?

団地で寮生活 永谷陵之佑さん
 「エレベーターはないです、階段です」
国山ハセンキャスター
 「何階?」
永谷陵之佑さん
 「自分の部屋は4階で、5階建てです」
国山ハセンキャスター
 「サッカー部にとってはいいよね」

 自らもサッカー部出身の国山キャスター。息を切らしながら部屋に到着。間取りは3つの部屋にキッチンとユニットバス。ここで3人が共同生活を送っています。寮費は1日2食付いて月6万5000円です。

国山ハセンキャスター
 「目標?目標掲げているんですね、壁に」
永谷陵之佑さん
 「けがしていたので、そういう目標を立てて」

 そもそも、なぜ団地なのでしょうか?昭和30年から40年代の高度経済成長を支えた団地は郊外に数多く造られました。そのひとつ、竹山団地はおよそ50年前に完成。ピーク時には1万人が暮らしていましたが、いまは6600人まで減少しています。

 完成当初からこの団地に住む三浦さん夫婦。2人の子どもに恵まれました。

Q.同じ環境の人が団地には?

三浦正男さん 芳江さん
 「多かったね。子育てもよかったね。同じくらいの子がいっぱいいたから」

 子どもは独立し、現在、2人暮らしの三浦さん。団地ではこうした環境の世帯が多く、ここ竹山地区は65歳以上の高齢者が44%を占めています。エレベーターがない団地の4、5階に高齢者は生活しづらく、空室が目立つようになりました。そこに、神奈川大学のサッカー部員が去年から学生寮としての活用を始めたのです。

三浦正男さん 芳江さん
 「若い人が多くなったからね、いいんじゃない。若い人の声が聞こえたりするのは、すごくいいよね」

 ただ、学生には団地ならではの悩みもあります。

団地で寮生活 永谷陵之佑さん
 「おはようございます」

 夜明け間もない午前6時前。朝練で5キロ離れたグラウンドに向かうため原付バイクを使っていますが・・・

永谷陵之佑さん
 「エンジンかけると周りの住民の人に迷惑をかけてしまうので、ちょっと開けた場所に行くまでは、押して歩いていきます」

 “生活音”を気にしながらの毎日です。洗濯機を回すのは午後8時まで、掃除機をかけるのも午後6時までと決めています。

 サッカー部の監督は、団地を寮として活用する理由に学生の人間性を磨く狙いがあるといいます。

神奈川大学サッカー部 大森酉三郎監督
 「社会課題の解決につながっていくような毎日を過ごすことは、社会に出て活躍する力を育むのではないかと思って、今やっている」

 社会で活躍する力を育もうと、学生たちが動き始めました。その意外な取り組みとは・・・

国山ハセンキャスター
 「神奈川大学サッカー部によるスマホ教室が行われています。こちらにお住まいのご高齢のみなさんも熱心にその話を聞いています」

 マンツーマンで永谷さんが高齢者に教えていたのは「LINE」のお友達に追加する方法。

団地に住む78歳
 「ここ押すの?」
団地で寮生活 永谷陵之佑さん
 「そうすると自分のQRコードが出るんですよ」
団地に住む78歳
 「あっそうなんだ」
永谷陵之佑さん
 「これを読み取ってみてください、そのカメラで」
団地に住む78歳
 「このカメラで、こうやって?これに映すわけね、これをね」
永谷陵之佑さん
 「近いです。そうすると自分の」
団地に住む78歳
 「ちゃんと名前が出た。ナガタニさんだっけ」
永谷陵之佑さん
 「ナガヤです」

 若い世代と話す機会が少ない団地に住む高齢者。自然と笑顔がこぼれます。

団地に住む78歳
 「(Q.教室に参加して)楽しかった。若い人がいっぱいいて」

 この日の夜、永谷さんのスマホには早速「LINE」でお礼のコメントが・・・

団地で寮生活 永谷陵之佑さん
 「『今晩は』と、最初にきたんですけど、そのときに星のキラキラした絵文字がついていて、すごく使いこなしているなと思いました」

 高齢者と接することで永谷さんも多くのことを学んでいました。

永谷陵之佑さん
 「コミュニケーション取ることひとつとっても、耳が遠かったりとかそういうこともあったが、そういう経験を得ていくにつれて、今の楽しめているという環境があるので、そこは自分にとってもすごく成長したところかなと思う」

 住み続けられるまちづくりを。多世代がつながるコミュニティが生まれ始めています。(03日23:35)

#SDGs #地球を笑顔にするウィーク #news23

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